デイリースクラムとは?
デイリースクラムとはスクラムの経験主義の三本柱である透明性、検査、適応を実現するためのスクラムフレームワークの5つのイベントの中の一つです。
デイリースクラムは毎日実施するミーティングのこと主な目的はスプリントゴールに対する進捗を確認しながら今後の活動を調整することです。
デイリースクラムってどんな場?
1. チーム内コミュニケーションと信頼関係を構築する場
2. 各メンバーの作業やスプリントゴールに対する進捗を捉える場
3. 助けやサポートを求める場
4. 障害などの困りごとに対して共有する場
どれくらいの長さが理想?
デイリースクラムにかける時間は最大15分と設定されており、作業に関する監査や透明性の確認を行うには十分な長さであり、毎日実施するには十分な長さです。
逆にそれ以上長くなってしまうと参加者全員の集中力が落ちてしまったり参加者が減ってしまうことがあるため望ましくありません。
参加者は誰?
デイリースクラムの必須参加者は開発者であり、スクラムマスターとプロダクトオーナーは参加は必須ではありませんが参加しても問題ありません。
スクラムマスターは参加した方が良い?
スクラムマスターはスクラムチームの活動を観察し課題感を見極め改善に導くという役目があるためデイリースクラムはじめスクラムイベントには積極的に参加することをお勧めします。
スクラムマスターの貢献の仕方
SMはあらゆる方法でデイリースクラムに貢献します。
1. 開発メンバーにデイリースクラムの目的を教えることでイベントが毎回実施され前向きで生産的なものになるようにサポートします。
2. チーム内同期、コミュニケーション、素早い意思決定など、良い習慣が必要な理由をチームに伝えチームの成長をサポートします。
3. デイリースクラム中は外部からの阻害要因をシャットダウンしチームの集中力を維持させます。
スクラムマスターはコーチングを行いながら、自己組織化したスクラムチームになるように導き、スクラムマスターが声掛けせずともスクラムチームが当たり前のようにデイリースクラムをはじめとするイベントを開催するようにします。
デイリースクラムのTips
同じ時間同じ場所で実施する
同じ場所、同じ時間に実施することで無駄に考えることが減ります。
また朝実施する必要もなく毎日実施できるのであればチーム全体で時間と場所さえ合意されていれば問題ありません。
タイムボックスを決める
最初から実施所要時間を決めておき、それ以上延長しないように実施します。
デイリースクラムにかける時間は最大15分と設定されており、作業に関する監査や透明性の確認を行うには十分な長さであり、毎日実施するには十分な長さです。
逆にそれ以上長くなってしまうと参加者全員の集中力が落ちてしまったり参加者が減ってしまうことがあるため望ましくありません。
課題管理については別途議論する
デイリースクラム中に問題を解消しようとすると時間がかかりデイリースクラムの時間を超過してしまいます。超過することが当たり前になってしまうとチーム全体の稼働をとってしまったり集中力の低下に繋がってしまいます。
デイリースクラムの後にミーティングを開き必要なメンバーだけで話し解決/課題に対するアプローチを考えるアフターミーティングを開くことがお勧めします。
チームにあったスタイルを模索してください
プロダクトや組織、チームの特性によって適したやり方が異なるためいろんな方法を試して1番合うスタイルを見つけ出してください。
参考までに、検査のための一連の質問する方法や、”walk the borad”といってタスクボード上のスプリントバックログにあるアイテムを一つ一つ見ていく方法や、作業項目の経過時間のようなメトリックスを使ってデイリースクラムの会話の内容を決める方法などがあります。
スクラムマスターは開始当初はデイリースクラムが定着するように手助けし定着後はチームにあうように開発者自身で微調整できるようにサポートするのが良いです。微調整はレトロスペクティブなどの振り返りのイベントを使うのが有効です。
デイリースクラムの王道の3つの質問
1. チームとしてどんな協力/サポートが必要ですか?
2. スプリントゴール達成のために何をすべきですか?
3. 特定の項目を進めるためには今日は何が必要ですか?
重要なことは、スプリントゴールを達成するための監査・適応であり、作業を進めるために障害物の把握・対応、チームやステークホルダーの協力や調整の必要、そして依存関係のある作業などのまだはっきり決まっていない部分について話し合うことです。
デイリースクラムアンチパターン
次の兆候がある場合はデイリースクラムのスタイルや質問の仕方を変えてみてください。
1. 退屈で誰も参加したくない状態
2. 開発者がSMやマネージャーに個人の実績を報告場になってしまっている
3. SMが参加するかで開催が決まってしまう
4. デイリースクラム中にチームが問題の解決やソリューションを探し出す
5. 作業項目を改善するために使われている
6. タイムボックスが守られなくなり、時間がオーバーしてしまう
7. 何名かの開発者が全員参加しなくても良いと考えている
最後に
デイリースクラムはチームの調整やコミュケーションを強化するための強力なツールであり、スプリントゴールに対するチームの進捗の検査や適応、そして作業に対する透明性を高め、障害物を特定するのにとても役に立ちます。
大事なことは、会議の集中力と協力性を確保することで、チームが取り組みやすい環境を作ることです。
継続的にデイリースクラムという活動を振り返り最適なスタイルを見つけてみてください。

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